2016年2月10日水曜日

モランディと熊谷守一

先日、神戸の兵庫県立美術館で開催中の
モランディ展に足を運びました





17年ぶりに再会したモランディの絵

この図録は3年前に伊丹市立美術館
で行われた熊谷守一展のもの
Kumagai Morikazu

今回、気が付いたことは
モランディの世界は熊谷守一の世界と
共通したところがある、ということです

分かり易い例を挙げると
上は熊谷守一が60歳のときに描いた風景画(油絵)で
下はモランディが51歳のときに描いた油絵ですが
抽象化に同じような雰囲気があります

上の風景画も熊谷守一が60歳に描いたものですが
抽象化がさらに進んだ感じを受けます

これは熊谷守一86歳のときの油絵です
これは個人的にとても好きな絵なのですが
抽象化の極みと言いますか
余分なものがすべて削ぎ落とされている
にもかかわらず、状況がよく伝わってきます
これには感服します・・

モランディはここまでは行っていませんが

この水彩画などは近いものを感じます

そしてこのエッチング(銅版画)

油絵ではこれですか・・


花を描いたものにも共通した世界があります
これはモランディ

そして熊谷守一


これはまた違った表現のモランディ

そして熊谷守一

岡潔風に言えば、どちらの世界も
高天原Takamagaharaが表現されている
このことは以前、こちらのHPで述べています


会場を後にし、美術館の大きな窓から
浜側に目をやると、薄雲越しの太陽が
モランディの絵のように佇んでいたのが
印象的でした・・

2016年2月7日日曜日

篠山 積雪

ここ篠山は昨夜から吹雪
朝の工房裏はこんな感じ
今年2回目の積雪です












2016年2月4日木曜日

産地不明の仕上砥 池ノ内産か・・

産地不明の仕上砥石を入手
コッパだから驚くほど安価
こういった砥石の産地を想像するのは楽しい
表面の質感や研ぎ感、研ぎ上がりは
京丹波八木Yagi町池ノ内産に似ている

寸八鉋で試し研ぎ
やや柔らかめでザクザクと研ぐことができる
研磨力は強い

荒い研ぎ感にもかかわらず、鋼Haganeは
ピカリと光るほどに研ぎ上がっている
これは池ノ内、八木ノ島、など八木町や
その北の園部町芦谷産によく見られる特徴だが
黄板は池ノ内がほとんどなので、京丹波産と
すれば池ノ内産が有力候補
芦谷産は研いだ感じがかなり違う(参照

ところが、それによく似た研ぎ上がりの
仕上げ砥石が関東の茨城県にもあるので厄介・・
これは茨城県赤沢産の黄板Kiita

地鉄Jiganeの研ぎ上がりや鋼Haganeの
研ぎ上がりは池ノ内産とそっくり・・

しかし、表面の質感はかなり違った印象を受ける
左が赤沢産で右が今回入手した産地不明のもの
赤沢産の方が、質感が冴え、艶がある
これは京都の梅ヶ畑産によく見られる質感で
この赤沢産が東物に交じると外見では
見分けるのは不可能だが
研ぎ感はかなり違うので
実際に使ってみると違いは歴然としている




こちらはまた別のものと並べたもの
中央が今回手に入れた産地不明のもの
左端は産地がはっきりしているもので池ノ内産
右端は某有名砥石販売店で
中山産として売られていたもの
これはどうみても池ノ内産
表面の質感である程度分かるが
使ってみると、はっきりと分かる 

前の写真と左右が入れ代わっているが
左端が中山産として売られていたもの
薄皮の肌の状態で産地を同定するのは困難
私は全く分からない

これは池ノ内産



そしてこちらは中山産として売られていたもの
丹波産独特の吸水のしかたが見られる
表面の冴えも中山産とは思えない

研ぎ感、研ぎ上がりは池ノ内産とソックリ



2016年2月3日水曜日

四分鏝鑿 コテノミを新調

急遽四分(12mm)コテ鑿が必要になったので
市販品を入手

これを打って下さった鍛冶屋さんには
申し訳ありませんが
短いものが必要なので、カットさせてもらいました

グラインダーで形成した状態


 ダイヤモンド砥石で荒研ぎした状態

裏を研ぎ上げた状態

鎬面を研ぎ上げた状態
ここまで所要時間は約40分
最終仕上げは福井県中井産の仕上砥石を
使いましたが、やはりこの砥石はいいですね

使った砥石群
上段は裏研ぎ専用仕上砥
左、新田産戸前、右は中山産合砥
新田戸前は鎬面の研ぎにも使用

下段は左から、シャプトン刃の黒幕grit320
その右は佐伯砥grit約800→
砥沢虎砥grit約1200→
三河名倉(ボタン層か)grit約2000→
福井県中井産仕上砥

柄も3cmほど短くしました