2015年2月20日金曜日

小刀の裏に琳派風の絵が・・・


これは小刀の裏研ぎをしながら
焼入れと焼戻しを行った際に偶然現れた模様
なんと、琳派風の風景画ではありませんか・・
山にかかる朧月・・

これは数年前に近所で撮影したもの
よく似ている・・

本阿弥光悦の作品にも同じようなものがあります

これは光悦の色紙
「さらぬたに 秋の旅ねは 悲しきに
松に吹くなり とこの山風」


こちらは加工された水晶の亀

こちらは海底を泳ぐ海亀のように見える
素晴しい

底から内側に彫られて表現されている
レーザー加工でしょうか・・
水晶の長さは7cmほどで亀の体長は約2cm

2015年2月19日木曜日

天然砥石の欠けの補修 そして深沢砥を両面使いにする


14日に紹介した栃木県産深沢砥の一つが
座りが悪く研ぎにくかったので


このように底面に別の砥石を接着
使った接着剤は瞬間接着剤


これで座りがよくなりました




これも14日に紹介した深沢砥で
広い面が板目面になっていたものを
幅の狭い柾目面も両側使えるようにしました


一方の面はノミ、小刀、小鉋研ぎ用として


そして反対面はカマボコ面にし


生反小刀研ぎ用として使います
このときは台から外して使います


燕鋼の小鉋を研いでみました(身幅43mm)


緻密で粒度がよく揃っていて
中研ぎの最終段階として優秀な砥石です




こちらは以前紹介した産地不明の中砥



大きな抜けに木を接着しました
接着にはシリコン・コークを使用


これで安心して使うことができます

再生伊予砥を含め三種の中砥研ぎ比べ

再生伊予砥(ロ)と天然伊予砥
そして人造砥石#1500を研ぎ比べてみました


まず再生伊予砥


研いだ鉋は佐野勝二作と思われる


地鉄(じがね)の研ぎ傷も均一によく揃っています


拡大するとやや針気が見られますが
ほとんど問題ありません



こちらは天然伊予砥


肉眼で見ても上の再生伊予砥に比べると
やや粒度にムラがあるのが確認できます


研ぎ傷は上の再生伊予砥よりも粗めで
研ぎ傷も深いような気がします



最後にシャプトンの「刃の黒幕」#1500


一見、上の2丁と研ぎ傷の感じはよく似ていますが


拡大すると、このように
人造砥独特の深い傷が付いています



再度天然伊予砥で研いだ後
京丹波亀岡、神前産の仕上砥(戸前)で研いでみました


地鉄の研ぎ傷はやや粗めですが
鋼(はがね)はピカリと光るほどに研ぎ上がっています


これで充分仕事で使えます


中研ぎの傷をできるだけ細かくしていると
研ぎ面を狭くしていることもあり(9mmほど)
1分ほどでここまで研ぎ上がります
これには大変助かります


刃先の拡大画像(約180倍)
焼入れが強靭なので、刃先が細かく毀れていますが
削り肌はほんど問題ありません
これまでの経験から、鉋はこれくらいの方が
刃先が強靭で永切れします 


2015年2月16日月曜日

古い鍔鑿を入手 特殊ノミに作り変える

使い込まれた古い鍔鑿(つばのみ)を手に入れました


銘は清弘
これを楽器製作用の特殊ノミに
作り変えようと思います


まずグラインダーで成形


刃の幅は3mm





研ぎ上げました




試し削り
これはスプルース材


そしてセドロ材
柔らかい材は軽く削ることができますが


堅い黒檀材を削ると
やや滑る感があります


刃先も甘く



捲(ま)くれています
これはこの道具本来の用途から
細い部分が折れないように
多めの焼戻しが為されているためと思われます



そういうことなので先端部だけ
焼入れを行いました
炭素分が少なめの感じがしたので
できるだけ低い温度で焼入れをし
焼戻しは行いませんでした


結果、軽く堅材を削ることが出来るようになりましたが


刃先がこぼれていました


ということなので
オーブン・トースターで10分ほど焼戻しました
設定温度は180度弱
ここのところ焼戻しには
このトースターを使っていますが
今のところ問題なく行えています


やや切れが重くなりましたが
充分仕事で使えます


刃こぼれも無くなりました