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2015年2月1日日曜日

羅生門銘寸六を仕立てる 押金(裏金)考

羅生門銘の寸六鉋は
そのままでは
仕事で使えないので
自分の道具として
仕立て直しました
まず押金の鎬角度を
修正(20度~22度)
強烈な逆目を止めるための
押金(裏金)は
私はだいたいこのように
設定しています
この鉋は寸六で
荒削りにも使うので
身の刃先の形状に合わせて
両端にアールを付けています

また、鎬面を研ぎ上げて
ピカピカにすると
刃先を利かせる際に
先端が見にくいので
グラインダーをかけたままの状態にしています

ギリギリまで押金を
利かせるためには
先端の状態を確認しやすいということが重要です

刃先角度は50度~55度で先端はできるだけ細くします

押金の様子

刃先の先端の押さえ具合
強烈な逆目の場合は
もっと寄せます

今回手に入れた
羅生門銘・寸六は
押さえ棒の位置が低すぎて
押金の耳を折る余裕が
なかったので
押さえ棒の下部を
ヤスリで磨り減らして
何とかこの状態まで
持ってきました
押金の内側と鉋身の裏の
隙間が狭すぎると
刃先の合わせの状態が
確認しにくいのです

鉋仕立てを説明している
本などには
「身の刃先幅を押金よりも
やや狭くし両端の
重なり具合を確認する」
などと書かれてあるものも
ありますが
この方法は大雑把な
確認の仕方で
初心者には分かり易い
かもしれませんが
刃先全体の状態の
確認は出来ません
深い逆目を止めるためには
押金をギリギリまで
刃先に寄せるので
刃先全体の確認が
必要になります

強烈な逆目を止めるには
「木端返し」よりも
押金の先端を確認出来る
ことの方が重要なので
私は木端返しはほぼ
垂直に切っています

因みにこれは
三代目・千代鶴延国こと
落合宇一氏作の寸八鉋ですが
押金は千代鶴延国式と
呼ばれているもので
落合宇一氏考案のものと
されています
身はごく薄く、台の
押さえ棒は両端しかないので
押さえ具合が難しいのですが
ピッタリ決まれば心地よく
使うことができます
千代鶴延国鉋の
「鉋使用説明書」では
裏金(押金)は出来るだけ
緩く収めるように
説明されています

閑話休題
羅生門銘・寸六が仕事で
使える状態になりました



さっそく欅(けやき)材を
荒削りしてみました
切れに問題はなく
刃先の持ちも
期待できそうです

刃先の状態はやや
荒れていましたが
削り肌には影響は
及んでいません

先日紹介した
研ぎ上げた状態の
刃先の拡大画像
(約100倍)
刃先がやや粗く
乱れていますが
仕事で使う分には
削り肌には問題ありません

試し削り後の様子
堅い欅材なので刃先がかなりやられていますが
まだ切れは止んでいません
これで¥12000なら
御の字です
これの数倍の価格のものでも
これより劣る鉋は
多く出合ってきました

こちらは優れた
羅生門銘・寸八

上の寸六とほぼ同じ
量を削りましたが
刃先の強靭さは
こちらの方が優れています

しばらく仕事で
使ってみようと思います


2015年1月31日土曜日

羅生門銘 寸六鉋を入手

以前紹介した羅生門銘の古い寸八鉋
手持ちの鉋の中でもトップクラスの強靭さと
永切れを発揮してくれるので
同じ銘の寸六鉋を手に入れてみました
価格は¥12000程度
驚くほど安価です・・
古い寸八鉋とは刻印の様子も違うし
「武蔵之介作」という刻印もありません
他には東住人の刻印が入ったものもあるようです
ということは、羅生門銘は問屋銘で
作者はいろいろと存在しているのでしょうか・・

いろいろと気になるところですが
取り敢えず研ぎ上げてみました

中研ぎの最後に使ったのは
この産地不明の天然中砥
やや目〆系なので、この前段階の青砥の砥汁を
付けてから研ぎ始めました

中研ぎの最終段階として
理想的な研ぎ上がりです

会津砥のような雰囲気もありますが
会津砥でこのような緑がかったものは
見たことがありません
ご存知の御方はぜひ御教示お願い致します

画像右の天然砥石も産地不明で
色あいは似ていますが
質感はかなり違った印象を受けます


これは中山産黄板で研ぎ上げた状態



刃先の拡大画像
鋼は安来ハガネ青紙と思われます
かなり強靭な焼きが入っている感じを受けます
これまでの経験から、鉋はこれくらいの状態が
強靭で永切れしてくれるように思います

これは果たしてどんな結果を残してくれるのでしょうか・・

2015年9月8日火曜日

鉋の入れ換え終了 そして特注ギターのネックの加工

鉋、一挙10枚研ぎ




最初の5枚


左4枚は主力で使う各サイズの鉋
入れ換えを終えてみると
ほとんが古い鉋身になっていました
最も多いのは会津鉋
この5枚のなかでは重道寸四と重丸寸四


この画像では左端の羅生門銘寸六が唯一新しいものですが
新しいといっても今では作られていないものです
羅生門は問屋銘で価格は¥12000と驚くほど安価
研ぎ上げた際に刃先にやや乱れがありますが
削り肌にはほとんど問題はなく
刃先の強靭さ・永切れはトップクラスです


次の5枚




これも古いものばかりで
現代の作家は中央の天水銘寸四のものだけ
会津鉋は重高寸四と重保(しげやす)寸六



ここからは製作中の特注ギターの
ネック加工の様子


























接着作業、2台分出来上がりました
右はガルシア・タイプで
左は19世紀ギターKiyondタイプ