2017年3月15日水曜日

若狭砥採掘の尚さんが工房に寄ってくれました

若狭砥を採掘している尚さん
久しぶりに工房に寄ってくれました
今回持ち込んでくれたものは
古い三木Miki鉋の寸六を2丁(三代三郎)と
最近採掘された若狭砥
そして、尚さんが開発した人造砥石


まずこの鉋から・・

どちらも三代三郎系の寸六鉋(身幅65mm)です
左は「三代三郎」銘で添え銘に
三郎孫弟子と刻印されています
右は銘は「甲子」
これは干支Etoの甲子Kinoe-neのことと思われ
銘の脇にネズミの姿が刻印されています
添え銘として、三代三郎実弟 謹製という刻印があります
グラインダーをかけた火花を観察すると
赤っぽい火花がわずかに飛ぶ程度で
どちらも鋼は特殊鋼と思われます
現在の青紙鋼とはやや違った火花ですので
初期の青紙か、あるいは東郷鋼が使われているのかもしれません

まず、この2枚の鉋身を研がせてもらいました
この砥石は尚さんが開発された人造砥石
粒度1000の中砥です
天然砥石やこちらで使っている人造中砥の
シャプトン「刃の黒幕」のように
水をかけてすぐに使えないのが残念ですが
程よい硬さで研ぎ易く、強烈な研磨力があります

砥ぎ傷はやや荒めで粒度800くらいの
印象を受けます

篠山の旧家で使われていた青砥を使ってみましたが
1分ほどで人造中砥の砥ぎ傷は消えました

そして若狭砥で仕上砥ぎ
研いでいるのは尚さんです
研いだ感じは、現在の青紙1号のように
砥ぎ難さはほとんどなく
初代金井や昔の初弘鉋のように
粘りのある柔らかい砥当りでした

そして製作中の19世紀ギター
ミルクール・タイプの横板に使う
ウォルナット材を試し削り

切れは特殊鋼とは思えない軽さで
軽快に削ることができます
これには驚きました

複雑な逆目もほとんど止まっています
「三代三郎」銘と「甲子」銘を比べると
刃先の持ちは甲子の方が良かったので
この鉋とこちらで今主力で使っている
特殊鋼の寸六鉋、「國(国)行」銘(東京鉋)のものと
削り比べをやってみました
YouTube に動画をUPしております

試し削りに際して
刃砥ぎには同じ砥石を使うことにし
中砥ぎは上に紹介した
篠山の旧家で使われていた青砥を
仕上砥ぎは尚さんが採掘した
若狭砥(田村山産)の戸前を使いました


砥ぎ上げた甲子・寸六

刃先の拡大画像(約100倍)
刃先は緻密に整然としています



こちらは國行・寸六

やや刃先は乱れていて
同じ砥石を使っても、研ぎ上がりの様子は
甲子・寸六とはずいぶん違った印象で
こちらの方が砥ぎ傷が深く付いている感じを受けます


動画撮影前の状態

撮影後の状態
セドロ材を削ったところ

鉋屑の様子
こちらはウォルナット材

動画でも削る音の違いが
分かってもらえると思いますが
右の甲子・寸六の方が切れが軽く
音も軽快です


動画撮影後の刃先の状態
こちらは甲子・寸六

國行・寸六
こうして比べると
甲子・寸六の方が刃先の持ちは
優れている感じです

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