2011年7月16日土曜日

青紙鋼鉋合わせ 三つ巴


青紙鋼の二代・初弘で

まず30年ほど寝かせた
ギター用響板のスプルースを削ってみました
一枚刃の影響もあり
たいへん軽い削りで言うことなしです
刃先の摩耗もそれほどではありません
以前述べたように、長く寝かせたスプルースは
木細胞に含まれているミネラル分の
結晶化が進んでおり、刃先の摩耗が激しいのです

 次に同じくスプルースですが
これは5年ほど寝かせていたギター用補強材で
材質は軽くパサパサのものです

 削り肌は艶があり美しく仕上がりました

次にハードメープルを削ってみましたが

削りは軽いものの、刃角度が
蛤刃に研いでも24度ほどしかないためか
細かい刃こぼれの痕が見られ
削り肌も荒れています
しかし削りの軽さには影響していません

そのままの刃先の状態で
ガンコな杢混じりの不明材を削ってみました
この材は硬さはそれほどないものの
逆目が強烈に入り交り
鉋かけが最も難しい部類に入るものです
刃先もすぐにやられます

それでも軽く削ることができ
逆目もほぼ止まっています
この材は二枚刃の鉋でもなかなか逆目を
止めるのは難しいのです

 さずがに刃先が摩耗し尽していますが
まだ切れは止んでいません
驚くほど永切れします

次に同じ青紙鋼の初代・金井で
同じ木を削ってみました
なんとか削ることができましたが
切れはやや重く、切れ止むのも早かった

これも一枚刃ですが、口が広めなこともあり
逆目を止めることはできませんでした
しかしながら、この状態は一枚刃の
普通の様子なのです

刃先がボロボロになっています

さて、これは先日も紹介した
中惣銘の青紙鋼の一枚刃です
刃角度は27度ほどありますが
文字どうり、これは全く刃が立ちませんでした
薄削り用の台仕上のためか
刃先がバタつき、使い物になりません

削り肌はご覧のとうり

刃先も完全にやられました

以上、青紙鋼の一枚刃鉋三丁による
三つ巴合わせをやってみました
結果、最も優れているのは二代・初弘
それから初代・金井そして中惣ということになります

0 件のコメント: