2011年6月9日木曜日

縄文時代草創期の石器工房跡


奈良県で発見された
縄文時代草創期(約1万5千年前)の
石器工房跡から出土した石器を見に行ってきました

場所は奈良県生駒いこま郡三郷さんごう



展示会場の三郷町文化センター


すぐ脇を大和川が蛇行しています


石器工房跡の出土状況(写真パネル)
石器の素材はほとんどがサヌカイトでしたが
サヌカイトはこの遺跡群からほど近い所にある
二上(にじょう)山から運ばれたものと思われます
二上山はサヌカイトの産地として著名なのです




サヌカイトは本来黒っぽい色をしていますが
出土品は風化して表面が白く変色しています

割れた断面も変色しているので
この石器はもともと割れた状態で
あったことが分かります

この石器は失敗作であろうと
解説されていましたが
私もそう思います
私もこれまで古代の技法で
多くの石器を作ったことがありますが
上の写真の左のもののように
あと少しで完成という時に
最後の打撃でパカリと割れてしまうことが
よくあるのです・・涙・涙・・

それから、エッジからの割れが
途中で止まってコブ状になっていますが
これもよくなる状況なのです
これを割り除くことは至難の技で
古代の人もこれで苦労したんだな・・
ということがよく分かります
なんだか安心しました・・






参考までに上の写真は
二上山産のサヌカイトの原石で
側は風化して出土した石器のように
白っぽいですが
内部はご覧のように黒い色をしています


有舌尖頭器の出来上がり





これは石器工房跡から出土したもの
唯一サヌカイトではない素材で作られたものです
石はチャート(石英質)と思われます
この石はここ丹波篠山の山でもよく見られます


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